サブスクリプションモデルは、うまく設定すると企業にとってもそれを利用するウェアれ我々にとっても非常に有意義なサービスモデルだと言えます。
しかし、サブスクリプションモデルの中には失敗例も多くあるのが現実です。
今回は、使う側目線で失敗したサブスクリプションモデルを見ていきたいと思います。
企業側から見たサブスクリプションの失敗例とは
サブスクリプションモデルは一定の金額が常に企業に入ってくるビジネスモデルのため企業にとっては次のようなメリットがあります。
・毎月一定の収入が見込める
・ユーザの支払額を低く見せることによって加入者を増やすことができる
・継続利用するユーザの属性やデータなどを取得することができる。
・いろいろなビジネスに流用可能である。
などです。
しかし、サービスの設計を間違えると、企業にとって全くメリットのないサービスが出来上がってしまします。
そんな失敗例を具体的に見てみましょう。
牛角のサブスクリプションの失敗
牛角は2019年11月から首都圏の3店舗で開始しました。内容は、食べ放題の「牛角コース」(1人3828円)と「お気軽コース」(3278円)のいずれかを1日1回、1ヶ月間注文できるサービスで、月額の費用は1万1000円としていました。
普通に考えて4000円近い食べ放題コースが1万1000円で毎日1回使えるとすると、4回来店するだけでもとが取れます。どう考えても使う側からするとメリットのあるサービスと言えるでしょう。
とくに、独身男性などは毎晩焼き肉でも良いと考える人も多かったのではないでしょうか。
このお得感から、牛角のサブスクリプションはTwitterなどのSNSで急速に拡散されました。
その結果として翌年2020年1月には新規受付の終了と継続利用の終了が発表されました。
理由としては、サブスクリプションのお客さんばかりが来店して席が埋まってしまい、一般のお客様が席に座れないという事態が発生したためと言われています。
なぜ、牛角のサブスクリプションは失敗したのか
牛角を運営するレインズインターナショナルでは、このサブスクリプションモデルについて、「2~3ヶ月に1度に来店されるライトユーザーのお客様が、1ヶ月に2~3回来ていただけるミドルユーザーになっていただきたいと考え、2019年11月29日より1万1000円プランを導入いたしました」とコメントしています。
つまり、このサブスクサービスをヘビーローテーション的に利用するユーザが潜在的に存在するということが認識できなかったのが、牛角のサブスクリプションの失敗と言えるでしょう。
無論このサブスクリプションモデルを利用する側のユーザーにとってはとても魅力的でコストパフォーマンスに優れたサブスクリプションだと言えるでしょう。
飲食のサブスクリプションは難しい?
飲食のサブスクリプションは、牛角の他にも展開している企業はたくさんあります。例えば、ラーメン店のサブスクリプションなどは比較的成功している企業などもありそうです。
一方で、コーヒーショップなどのサブスクリプションでは牛角のように失敗して撤退している物もありそうです。
その違いはどこにあるのでしょうか。
飲食での成功のポイントとは
飲食でサブスクリプションが成功するかどうかは、店舗の滞在時間によるところが大きいかもしれません。
店舗の座席数が限られている飲食店において、長時間滞在されてしまうような業態の場合、サブスクリプションのお客様が席を専有され、通常のビジネスが回らないということになりそうです。
先に説明した牛角もサブスクリプションのお客様で席が連日席がいっぱいになり一般的なお客様が来店することができなくなってしまったことがサブスクリプション撤退の原因であると発表されています。
逆に客あたりの滞在時間の短いラーメン店やテイクアウト主体の場合には飲食でもサブスクリプションに適していると考えることができそうです。
サブスクリプションモデルはビジネスの設定が難しい
サブスクリプションモデルを採用するためには、企業と利用者がどちらもメリットを受けられる様なビジネスモデルを設定しなければ長続きしません。つまり、企業だけがメリットを受けられるモデルではお客様は集まらないですし、逆に利用者のみがメリットを受けられるモデルだと企業が早々にサービスを停止してしまう可能性があります。
今後も様々なサブスクリプションのサービスが開始されるかと思いますが、そのサービスが定着するまでにはいろいろな試行錯誤が必要となるでしょう。
逆に、サブスクリプションのアンテナを広げていれば利用者としてメリットの高いサービスを一定期間でも受けることができるかもしれません。